Element 3D で覚える『HDRI』と『環境マップ』基礎編-01

Element 3D で覚える『HDRI』と『環境マップ』基礎編-01

環境マッピング(Environment mapping)

周囲の空間を地球儀のように画像(テクスチャ)を貼り付ける技法のひとつ。
その貼り付けた画像を元に自然環境に近い、『反射』や、『屈折』を行うことができ、その画像を「環境マップ」なんて呼んだりします

本来の3DCGは、映り込みを表現する際に、
膨大な反射の追跡計算を行う必要があるのですが、
この環境マップを使用することで
ライトやオブジェクトを配置せずとも

疑似的ではありますが、
リアルかつ自然な反射表現が可能となります。

要するに、

環境マップをうまく使えば
レンダリングも早く
簡単にリアルな質感を表現できます!

例えば、この画像が(環境マップ未使用)

環境マップを使用すると、

こうなります。ライトも使用せず

画像1枚です。

スゴイ!!!

(小波感)


3Dをあまりわからない方も、
Element3D経て、3Dソフトを触るキッカケにする為に、
どのソフトでも共通する、HDR、環境マップの解説をします。

あと、なんとなくE3Dで環境マップを使っている方…すげぇわかる。

では、Element3Dで試してみましょう!

Element3Dの基本操作、ENVIRONMENT

まずは、Element3D(E3D)の設定から
『Model Browser』の標準プリセット
Starter_Pack_Physical(42)を選択

この女神像を使用します。クリック!


次に、ENVIRONMENTをクリック。(Presetsからでもいけます。)

これをOKすれば、環境マップが反映されるのですが・・・ちょっと

ここクリックしてもらっていいですか?

C:\Users\ドキュメント\VideoCopilot\Materials\Environment\Basic_2K
このフォルダが表示されるはずです。

余談ですが、
「\Environment\」のフォルダにDLしたHDR画像を用意すれば、プリセットからも読み込むことができるようになります。

↓これ気になりますよね。


フォルダを開くと、フォルダにjpgとddsってあります?どっち使ったらええのん?ってなりません?Environmentに適応してElement3Dで比較してみましょう

『jpg』と『dds』の違い

(昔の僕)DDSって聞いたことないので、めちゃ変わる予感…


どん!


左:JPG 右:DDS

えー


おなじやんけ……

…ちょっと、おしえてあんどりゅー!

環境をクリックして、JPG、PNG、またはHDRファイルを選択するだけで、
独自のファイルをロードできます。
DDSファイルは、少し高速に読み込まれるネイティブGPUファイル形式です。
byアンドリュー

要するに、JPGより少し早く読み込みができる画像データとのコト

どっちを選んでもそんなに変わりません!!!!!


割とどうでもいいことにテンションを無駄に浪費してしまい、大変申し訳にないのですが 、『.DDS』の存在を明確にするほうが、

「これどっち使ったらええんかいな」

という微妙な引っ掛かりがなくなるかなと思いまして!

本題はここからです

散々説明して申し訳ないのですが、
現状、

Videocopilotさんの環境マップ画像をつかう必要ありません!

正確には使うのですが…ベースで使う必要はないかも。

なぜなら、『.HDR』や、『.exr』 ではないので、色情報が少ない。
そのあたりの話は、次で!

環境マップは.HDRを読み込め!

もしくはexr。今回exrはスルーします。大事すぎるんですが、今回は…

HDRI(HDR)というのは
ハイダイナミックレンジイメージ
 High Dynamic Range Image


の略で、
高い輝度幅をもつ画像のことです。
HDRは輝度幅が広いため実際の明るさを表現することが可能です。

iphoneなどでHDR撮影できると思いますが、アレです。

ただ、普通の写真は、下の画像みたいなエクレイタングラーという
地球儀に張り付ける画像といいますか、
円球に張り付けて、継ぎ目なく表示される画像、
つまり
360度対応の画像になってないので、

まずは、HDRをDLしましょう!

HDRI Haven
https://hdrihaven.com/hdris/

このサイトは素晴らしいです。

ぜひ覚えて帰ってください。

さて・・・

2つの拡張子の違う環境マップで検証してみます
この2つの画像は、ダウンロードした 『.hdr』の画像を『jpg』に保存しなおしただけです

まずは、JPGの環境マップ(キャプチャですよ)

そして、HDRの環境マップ(キャプチャですよ)

この感じでみたらほぼ同じ画像ですよね
(ヒストグラムとか用意できずスミマセン…)

さて、結果は…

左:jpg 右:hdr


左が.JPG
右が.HDR

…… 全然違う!一見同じ画像に見えるのに…


すごい!色数の多さ、深さどれも段違いですね。32bit(浮動小数点)恐るべし。

HDR画像ってすごい!



HDR画像は、「複数」枚の写真を合成することで、
ダイナミックレンジを広くしたものです。


明るいところに露出を合わせた写真、
暗いところに露出を合わせた写真、
それぞれをカメラを動かさずに撮影して、

それを合成します。

ですので、三脚を使用してカメラを動かさずに、
複数枚撮影し、ソフトで合成します。

こうすると、レンジの広い輝度をもつ画像を作成することができます。

iPhoneのHDR撮影は、輝度の違う写真を同時に撮影して、内部でがっちゃんこしてるわけですね。

ビデコパさんの環境マップでは、jpgなどで圧縮されているため、色のレンジ表現しきれていないということになります。

画像的には美しいので、使いどころはありますが…なぜ.HDRが入っていないんだ!

正しいHDR画像(拡張子だけhdrな偽物もある)を使用すれば複雑な色味になって、よりリアルな表現になるかと思います。もし、HDRの画像を使用したことがなければぜひ使用してみてください。変わりますよ~!

まとめ

いかがでしたでしょうか、
環境マップとHDRの重要性感じてほしいと思い
記事にしました。

正直、環境マップ、IBL(イメージベースドライティング)、HDR……
HDRにいたっては、HDR対応テレビなどHDRの解釈がぐちゃぐちゃになってややこしい。ここでいうHDRはあくまで、32bitの浮動小数点演算が可能な
輝度幅の広い画像のことを指します。
このあたり超ざっくり解釈していたため、

JPGでは厳しい理由がわかっていませんでした。

ずっと、

jpgでいいんじゃね?って思ってました…

でも全然違うんです。データ量が桁違いなのはそんな凝縮された情報が入っているからなんですね。

AEで例えるなら、ずっと8bitで作業しているようなもので…
16bit 32bit(浮動小数点)

で作業するのが今や当たり前になってますよね。

次は、これをE3DのUIからOK押した後、

AEでどう設定すれば、

よりリアルな設定が出来るのか。

そのあたりを検証していきたいと思います。

下の動画は1本の映像をE3Dで作成しております。
この動画が理解できれば次の記事を見る必要はありません。
でも、作ったら作ったでまた来てください!・・・ふ、復習です!

この記事もレイトレースの設定について記載しています。


ではまた!(‘ω’)ノ

カワハラ

映像会社SYNCHROTRON,llc共同代表、Flashback Japan チュートリアルを寄稿、幕張メッセで行われるInterBEEや、専門学校などで教員向けにデモンストレーションを行ったりしている、カワハラです。

< HidenLab 秘伝ラボ 秘伝LAB ヒデンラボ >

参考サイト

ハイダイナミックレンジイメージ(HDRI)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8